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子育てママのダイアリー no.2 「母」という辞令・・・・・≪あるワーキングマザーの自分史(1)≫

掲載日:2012年08月13日 スタッフブログ, レポート, 育児休業・育休後

子育てママのダイアリー no.2
「母」という辞令・・・・・
≪あるワーキングマザーの自分史(1)≫

まさに身ふたつになった瞬間。
やっと姿を現した天使から、私は「母」という真新しい辞令を渡されました。
これは退職ということが許されない一生涯の仕事の始まりです。
無事に生まれたという安堵感と、今まで味わったことのない至福感に包まれながら、
私は産めてよかった、間に合ってよかったと何度も繰り返していました。
私は36歳。結婚11年目にして娘を授かりました。なかなか子供のできない夫婦でした。
子供のいる暮らしについて話し合うこともなく、それぞれの仕事に没頭していく、そんな暮らしでした。

初めての妊娠は34歳の時。その子は8週目で心音が聞こえなくなりました。医師の判断を待つまで約2週間、子宮に消えかかった生命を抱えて過ごしました。39歳の年に3度目の妊娠をしました。妊娠反応はありましたが、超音波に姿はありません。ある日、一晩中出血が続き、その子は流れました。
母親業こそ、「締切時間」のある仕事であること。この事実を何と軽く考えていたのでしょう。もし、自然に授かることがなかったら、一体どんな選択をしていたのでしょう。
娘は生後六ヶ月からベビーシッターを頼み、1歳からは保育園に通っています。
あれほど不安だった子育てと仕事の両立も物理的には可能でした。
保育園は、子供がのびのび育つ場として信頼できるものと感じています。

会社と保育園と家庭の三角形を毎日動きまわる生活。悔しいけれど、私の仕事上の立場からすれば、当然開拓すべき人脈やコミュニケーションを深める力はありませんでした。会社社会では時間が自分の意志で自由にならない立場は中途半端でした。限られた時間と責任の中でしか働けない。でも、得意な分野に専任することで続けたいと願いました。でも、私の知らないところでいろいろなことが決まり、 いつのまにか私は会社では「過去」の人になっていくようでした。私が流産、出産、子育てという新しい世界を知り始めた頃、ちょうどバブルがはじけました。日本中の会社の経営も予断の許さない状況に直面していきました。そして、私もその嵐の中で、あっけなく18年3ヶ月に及ぶ「就社」が終わりました。

母の辞令を手にしてから、私は価値感がすっかり変わってしまったようです。子育ては期待以上に刺激的で楽しい仕事でした。当事者になってみなければ実感できない、もうひとつの世界がありました。人が生きていくために大切なことは何か、という優先順位が大きく変わりました。人間弱い時もある。ルールに合わせることよりも、自分の価値観を大切に生きることのほうが、勇気が必要なこともあると今は考えています。

女性は子供を産む性。これは男性にはない能力なのです。結婚か、仕事か、子育てか、なんて択一して考えるのは、本当はおかしいのです。妊娠や出産は女性にとって大事業です。男性と対等にということばかり導かれてきたように思います。でも役割が違う性なのです。娘たちの時代には、人間として共生の方法を見いだしている未来であってほしいと願わずにはいられません。

40歳からの再出発。前途は多難ですが、これからも仕事は続けたいと思っています。今度は「就社」ではなく、私が私であるための仕事を見つけたい。時間はかかっても、新しい道を見つけることができれば本望です。(1995年7月 Y.T)

 



このダイアリーは、17年前に私が会社を辞めた直後のものです。
その後、私は次女を出産し、社会人学生として社会福祉を学ぶという道を歩き始めました。
まだまだ、歩く道の先は見えません。いつも「わからないからやってみる」という生き方をしてしまいます。
もう少し周囲と折り合っていく生き方もあるだろうに、本当に不器用な人生だな―というのが本音です。
当時は現在のようにインターネットに情報が溢れている時代ではありません。
両立をどうするかという前向きな気持ちではなく、無力感に悶々とする時間が過ぎて行ったように思います。今の自分から過去の自分へのメッセージを届けるとすれば…。
「もっといっぱい”相談”をして、自分の本当の気持ちと向き合えばよかったのに」という言葉かもしれません。

私がプティパ「子育て・家族の相談室」や「ピアサポート」を通じて、家族支援の視点から総合的な相談の入口が大切だと思う原点は、辛さをひとりで抱え込んでしまったあの頃の体験にあります。

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