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志木の街を舞台にした、映画「武蔵野S町物語」が6月16日に公開されます

掲載日:2012年05月27日 スタッフブログ, 地元・埼玉の話題

PetitPasが活動の拠点とする埼玉県志木市。志木の街を舞台にした映画「武蔵野S町物語」がまもなく公開されます。

プティパスタッフも5月10日(木)、志木市民会館パルシティでの先行上映会にいってきました。

映画「武蔵野S町物語」は、原作が誕生した’もうひとつの物語’を知ることで、さらに深くこころに響いてくる映画だと感じました。

原作は、志木出身の作家・永倉萬治さん。(1948-2000)

1989年、永倉さんは脳溢血で倒れ、半身マヒと失語症という重い障害が残ります。懸命にリハビリに取り組まれ、数カ月後には、執筆を再開されます。一度は言葉を失った萬治さんから生まれる言葉を、奥様の有子さんがアンカーとして推敲する共同作業を始められます。2000年10月、永倉さんが再び脳溢血の発作で急逝されるまで、11年間に、単行本だけでも28冊を発行されています。

小説『武蔵野S町物語』は、脳溢血から3年後に連載小説として書き始められます。原題は、『武蔵野アマルコルド』。アマルコルドという言葉は、F.フェリーニ監督の映画のタイトルに由来し、「私は、覚えている」という意味が込められているそうです。

闘病中の永倉さんにとって、少年時代の思い出がどれほど生命の源泉であったか、小説『武蔵野S町物語』の巻末に有子さんが書かれた6ページ程の「解説」を読むだけでも伝わってきます。

今、奥様の有子さんは「朗読&トークの会」にも取り組まれていらっしゃいます。プティパスタッフもこれまでに4度、有子さんの朗読を聴かせていただく機会がありました。毎回、有子さんの世界に引き込まれ、癒されました。特に、先行映画会を前に開かれた「朗読&トークの会」は、永倉萬治さん、有子さんの小説やエッセイの朗読と、お二人が共に歩いた人生を語りで綴ってくださる、素晴らしい一編の珠玉の作品でした。

映画&小説「武蔵野S町物語」は、観客や読者自身が自分の体験と重ね合わせることで、世代を越えて、心の中にある大切なものを呼び覚ましてくれる、そんな作品です。

昭和30年代、小学校4年生の少年たちが自然の中で遊ぶ姿をみていると、子供時代の遊びの体験は、生きる力の泉であることを教えられます。主人公の清島健一少年の眼を通して、子供たちもまた、大人や社会をきちんと観ていること、大人と大人、大人と子どもも人間同士でちゃんと向き合って生きてきた時代の大切なエピソードが丁寧描かれている映画です。

また、映画では、大人になった健一に大杉連さん、有子夫人に宮崎美子さんがキャスティングされ、「武蔵野S町物語」にもうひとつのテーマを重ねています。「大切な人と共に生きる」姿は、観る人のこれからの人生に、希望の見つけ方を伝えてくださっているようです。

『万治クン』(永倉有子著 発行:ホーム社、発売:集英社)は、有子さんがご夫婦の出会いから突然のお別れまで33年間を綴った作品です。この本を読まれると、映画のふとしたシーンに込められたメッセージをさらに深く受けとめられるのではないでしょうか。(もう書店では手に入らない本だと思いますが、埼玉県内の38館の図書館に所蔵されています。)

「武蔵野S町物語」は、高次機能障害や失語症などで “リハビリテーション”に取り組まれているご本人やご家族、医療関係者や支援者の皆様にも、たくさんの勇気を届けてくれる映画&小説です。永倉萬治さんも生前テレビにも多数出演され、リハビリテーションのご体験を語られたようです。リアルタイムでご覧になった方は、どんなに勇気づけられたことでしょう。病気により失われた機能があったとしても、人間には残された埋蔵資源がたくさんあること、人間としての尊厳の回復としてリハビリテーションの真の意味を、永倉萬治さん、有子さんご夫婦は、さまざまな作品を通して伝えてくださいます。

映画は2012年6月16日(土)よりユナイテッド・シネマ浦和で公開されます。
上映の輪が全国に広がりますように・・・。
映画「武蔵野S町物語」公式サイトはこちら 

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