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障がいのあるお子様を <もっと理解したい> ママたちのピアサポート 2014年10月17日(金)開催報告

掲載日:2014年10月19日 スタッフブログ, ピアサポート, レポート

通院や療育などに追われ、障がいのあるお子様を育てるママたち。
育児負担は大きく、将来の自立につながる療育や支援環境を整えていくことは、大きな心労を伴う長い道のりです。
障がいのタイプは違っていても、わが子の障がいを<もっと理解したい>という、
想いは共通することも多いのではないでしょうか。
ピアサポートでお互いの経験をわかちあいましょう。

10月14日(火)は、電車が大好きなAちゃんと、ママのB子さんと一条工務店志木住宅展示場モデルルームの窓から、電車を見ながらのマンツーマンセッションでした。

 [今回の主な話題]
どうしても他の子どもとくらべてしまいます。
3歳のAちゃんのママのB子さんは、同じ年頃の子どもたちのグループに参加して、とっても辛くなってしまいました。
「どうしてAちゃんは、言葉が出ないの? 遅れているの?」
☆★☆
Aちゃんは、はじめてのお子様。2歳位まで、確かに言葉の遅れは感じていたけれど、「子どもは一人一人違いはあるもの。子育てってこんなものかなぁ」と思っていたBさんでしたが、周囲の人に勧められ訪ねた相談機関からも、「療育を受けた方がよい」と言われ、週に何日も母子でグループに通う暮らしが始まりました。医療機関も受診し、これから発達検査も受けることになっています。お医者様はまだはっきりと診断名やAちゃんにどんな課題があるのかを説明してはくれません。

「どうしても他のお子さんと比べてしまうのです」。
言葉が出ない。オムツもとれない。
「来春からは、保育園や幼稚園にと考えていましたが、’加配’を付けても集団保育は難しいのではないかと言われ、Aちゃんのような子どもが通う通所施設が良いのかなと思っているのですが・・・」。
☆★☆
Aちゃんは、電車が大好き。電車の見える場所を見つけて、「ママ、抱っこして」、「電車がみえたよ」、「もっともっと~」、「こっちのお部屋にもいってみる」―と、元気に動きまわります。はじめての場所で、ちょっとびっくりしていたけれど、パッと眺めて、興味のあるものを見つけては、ママに手伝って欲しいことをお願いします。指を立てて、電車を指して、電車が走っていることを教えています。抱っこは重いですね。「Aちゃん、この椅子に座って電車を見よ」とママが声を掛けますと、用心深く椅子に立つこともできました。別のお部屋を探検していたAちゃんに、「また、電車が来たよ!早く、早く!」と誘うと、ピュ~とすっとんでくるAちゃん。
「ア―、ア~、アッ、アッ」というAちゃん語でたくさんお話をしてくれて、ママとAちゃんのコミュニケーションは絶妙。
確かにAちゃんは、まだ、あの大好きな走るモノを「でんしゃ」とは言いませんが、きっとこころの中では、「でんしゃ、でんしゃ」と思っているかもしれません。どの窓から見えるかな~と考えて、一番お気に入りの場所を見つけることもできました。
☆★☆
Aちゃんの遊びを見守りながら、B子さんの気持ちをお聴きしたり、スタッフが「子どもたちから教えてもらったこと」をお伝えしました。

≪参加者様からのメッセージ≫
今日のお話は、眼からうろこでした。どうしても他の子との違いに落ち込んだりの日々でしたが、見る目を変えて、子どもの気持ち、行動に目を向け対応していくと、自然に生活が楽しく、発見の毎日になると思います。がんばります。

≪スタッフからのメッセージ≫
私たちは、「言葉によるコミュニケーション」が「基本」となっている世の中で暮らしています。
ところで、私たち大人も子どもの頃、どうやって「言葉」を身につけたのでしょう? 学校や塾に行ったかしら?
ふだんの暮らしを通して、モノやヒトに名前があることに気付いて、今やっていることは「食べる」っていうんだとか、一所懸命わかろうとして、使ってみたら「通じた」と納得しながら、見よう見まね、手探りで頑張って身につけていたことでしょう。大人たちは、今の時代ほど子どもにあわせて丁寧に言葉を教育する意識はなかったかもしれませんよね。
本当に、がんばったね、じぶんたち。
それが、「あたりまえ」と信じて生きています。

一方、言葉が聴こえない世界に生きておられる聴覚障がいを持つ人たちは、どうやって言葉によるコミュニケーションを身につけていかれるのでしょう。自分の気持ちや考えを多くの人に伝える方法としての「手話」も言語のひとつです。コミュニケーションの方法は、本当にさまざま。

こんなことを考えていくと、今のAちゃんは、「発語がない」と言われる状況ですが、Aちゃんにもたくさんの感情や考えがあり、Aちゃんなりのコミュニケーションの方法を用いて、ママやパパを頼りにしながら生きています。何よりママが話したことを理解できています。

人と人の安心の信頼関係のなかで、Aちゃんにも「言葉」の意味をひとつひとつ伝え、してもいいことやいけないことを教えていくプロセスは、子育ての基本。
私たちが経験してきたやり方では伝わりにくい、特徴をもったAちゃんには、「どんな方法が良いのかな」と周囲の大人たちの方が、一所懸命工夫しなければならないことが、一番大きな違いかもしれません。
私たちは自分が経験してきたことしか知りませんので、経験を基準に判断しようとしてしまいます。そこには当てはまらないことは、「違う」と線を引いてしまいがちです。Aちゃんのようなお子様から学ぶことは、私たちが知っていると思っている方法も、ちっぽけな経験にすぎないなぁということ。

もっと子どもたちから学んで、ひとりひとりのお子様に一番いいことを考えていかなければならないと思います。
☆★☆
Aちゃん、すごく落ち着いて、たくさん遊んでくれてありがとう。
B子さん、「他のママさんたちも集えるなかまカフェになるといいですね」とのメッセージをありがとうございます。
この小さな場所を見つけて、足を運んでくださってとても嬉しく思っています。
また、Aちゃんのご成長ぶり、たくさん教えてください。

☆★☆
(少し難しいメッセージになりますが―)
人間はそれぞれ個性をもって生まれ, 個性をもって生きています。
その上で、身体・精神的な機能に障がいを持って生まれるお子様もいらっしゃいます。
その特徴を理解して、周囲の関わりや環境を整えることで、活動や参加の制限が広がっていかないように、さまざまな体験を通して、社会で生きる力を獲得していけるようにしていくことが大切なのだと思います。
障害支援の分野では、「医療モデル」から「社会モデル」へと言われてかなりの年月が経ちますが、子どもたちの支援の領域では、「社会モデル」に立つ支援にまだまだ立っていないのではないかと感じることがございます。
「病気や障害の説明は聞いたけれど、子どもとどうかかわれば良いのかを一緒に考える人はいなかった」という言葉を、何年も何年も経って、親に言われる社会となってしまったら、それは「新たな障害」を生み出す社会だと言えます。

 そんな時代に、今、小さなプティパのできること。
お子様の個性や特徴を「わかろう」する、親たちの場を創ること。
そのお子様が受け入れやすい方法を手探りしながら、良いところを見つけたり、さらに力を引き出すためにはどうしたら良いのだろうと創意工夫を重ね合う道を作っていくことが何よりも大切だと思います。

その理解が、「お子様を中心にして」知恵をめぐらす場の基礎になり、さまざまな専門家や支援者を、「ともに考える人」としてつながりあえるのではないかと―。

「なかまカフェ・障がいのあるお子様を<もっと理解したい>ママたちのピアサポート」には、そんな思いを込めました。
まだ、自分で困っていることや辛いことを伝えることはできないお子様と、共に暮らす中で、「あれ?」と気付くことをたくさんお話ください。

≪information≫
次回は、11月28日(金)10:00から一条工務店志木住宅展示場で開催致します。ご案内はこちらです。

 ≪謝辞≫
「なかまカフェ」は、一条工務店志木住宅展示場モデルルームの一室をお借りして開催しています。木の香りの中で穏やかな心で、深いお話をすることができます。本当に有難うございます。

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