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【開催報告】家族の介護を担う子どもたち~ヤングケアラーへの支援を考える<あんしん子育てサポートプロジェクト2016> WithYouさいたま/2016年8月28日

掲載日:2016年09月01日 こころがブルーなママたち, イベント・セミナー, スタッフブログ, レポート

【あんしん子育てサポートプロジェクト2016第9回学習会】
家族の介護を担う子どもたち
~ヤングケアラーへの支援を考える

ピアサポート(産後うつ)8月28日(日)、「あんしん子育てサポートプロジェクト2016第9回学習会」を埼玉県男女共同参画推進センター(WithYouさいたま)で開催しました。
今回のテーマは、「家族の介護を担う子どもたち~ヤングケアラーへの支援を考える」です。

森田久美子さん(立正大学社会福祉学部准教授)、高久千緒さん(ふくろうの会 代表)のお話をお聞きし、参加者みんなで感想をわかちあいました。

ヤングケアラー―勉強や仕事をしながら家族を介護する子どもたち・若者たちが必要としていることは何でしょう。さまざまの立場の参加者の皆様と共に考える、深い時間となりました。

☆本セミナーは、埼玉県男女共同参画推進センター2016年公募型共催事業 です。
共催:埼玉県男女共同参画推進センター(With Youさいたま)
後援:さいたま市
協力:
・一般社団法人日本ケアラー連盟
・親&子どものサポートを考える会
・さいたま市精神障がい者もくせい家族会
・認定特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構・コンボ
・NPO法人ぷるすあるは

≪講師プロフィール≫
森田久美子さん 立正大学社会福祉学部准教授
日本ケアラー連盟のヤングケアラー・プロジェクト副代表。誰もがケアを担う時代に、ケアを担うことが幸せと感じられる社会のあり方に関心を持っています。
高久千緒さん ふくろうの会 代表
うつ病の母親のサポートのかたわら、高校・大学で学んできた経験から、精神障害の親と暮らす経験を持つ若者のグループ「ふくろうの会」を設立、運営しています。現在は、県内市役所障害者福祉課にケースワーカーとして勤務。一児の子育てにも奮闘中です。

≪学習会の流れ≫
第1部 ミニレクチャー ヤングケアラーとは?
講師:森田久美子さん
第2部 体験談を聴く
話し手:高久千緒さん
第3部 参加者交流会
参加者みんなで、シェアリング

講師資料-ヤングケアラー20160828第1部は、日本ケアラー連盟ヤングケアラー・プロジェクト副代表を務めておられる森田久美子 (立正大学社会福祉学部准教授) さん に、<ヤングケアラー>についてのミニレクチャーをしていただきました。

ヤングケアラーとは、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子ども」とされています。

講師資料-ヤングケアラー20160828(2)コミュニティケアを進めるイギリスでは、1960年代から介護を担う家族の負担についての調査研究が重ねられ、1980年代後半になり、介護を担う子どもの存在が認識されるようになりました。
1995年に制定された「ケアラー法」は、自治体にケアラーアセスメントが義務づけられ、ケアを担う子どもを含むすべての年齢のケアラーに、アセスメントの請求権とサポートを法的な権利として定めたものでした。
さらに、2014年には、子どもと家族に関する法律の改正(Children and Families  Act2014)が行われ、ケアを担う子どものケアラーアセスメントが義務づけられました。


それに対して、日本では、ヤングケアラーは介護者の中でもマイノリテイの「見えない」存在であるといえるでしょう。森田さんは、なぜ社会から「見えない」のかについて、複数の要因を挙げられました。
 支援サービスに対する恐れ  スティグマやいじめのリスク  限られた支援ネットワーク
 家族への忠誠心  病気の特性  文化・言語の壁  その文化における家族に対する期待 
 法的支援の狭間に置かれていること  専門職の先入観

講師資料-ヤングケアラー20160828(3)そして、研究調査から見えてきたヤングケアラーの存在や彼らが置かれている環境、担う役割の実情について、さまざまな視点から解説していただきました。

実は、医療や学校の現場では、ケアを担う子どもの存在に「気づいている」のですが、支援の対象という認識がされていないことに、日本の構造的な課題があるといえるのかもしれません。

 




 ヤングケアラー20160828(2)600第2部では、ふくろうの会 代表の高久千緒さんの体験を伺いました
うつ病のお母様のサポートを担い、心労を抱えながらの通う学校生活の厳しさ―。さまざまな葛藤を越えて、ご自身の考えや環境を変えていくことができた背景には、何があったのでしょう。
森田さんと高久さんの交流は10年を越えています。森田さんが聞き手となって、高久さんの心情を深く引き出してくださいました。
「不安がこんなに強いのはふつうではない」という気付きから、考え方や周囲との関係を変えていかれ、2年前からは「ふくろうの会」を隔月で開催されています。
「あなたのことを忘れない、見ているんだよと伝えるだけでちがうのです」という高久さんの言葉に胸が締め付けられました。

第3部では、参加者全員で感想のわかちあいをしました。さまざまな立場の皆さまが、さまざまな声を届けてくださいました。そして、自分の立場でできることを始めていこうという想いを伝えてくださいました。アンケートにも、その思いをしっかりと伝えてくださいました。 


 ぷるすあるは 書籍販売ブース
ぶるすあるは書籍ブース今回も、ぷるすあるは 北野陽子さん、細尾ちあきさんが書籍販売ブースを開設してくださいました。
「スカイくん」「ホロちゃん」「ハルくん」・・・ぷるす絵本の主人公の子どもたちが見守るなかで、子どもの視点に立つということを学びあいました。
子ども情報ステーション http://kidsinfost.net

≪参加者の皆様からのメッセージ(アンケートの感想から)≫
とても貴重なお話でした。ヤングケアラーの生の声を聞くのは初めてで気持ちや経験がとてもよくわかりました。もっと聞きたかったです。なかなか知られていないことだと思います。声を伝えていけたらと思います。イギリスのケアラー法にも感銘を受けました。子どものことを把握し、具体的な援助につなげることが求められていると痛感しました。
体験者の方の話がとても胸に響きました。一般の人にもっとたくさん知ってほしいと思いました。森田先生には、連携について埼玉県内を見ていただきたい。精神科病院と他の機関との連携が進んでないです。
高久さんの話を聞くことができてよかった。昨日開催された「リカバリーフォーラム」の話以上に、役所での業務で職員として心掛けなければならないことを気付かせていただけた。
当事者の生の感想が聴けて非常に良かったです。次回もぜひ参加させていただきたいです。
自分が看護師として出会うご家族に対して、労いの言葉をかけるので精一杯であったが、今回の体験談やご講義を伺い、よりふみこんで(但し、相手を脅かさないように配慮しながら)言葉をかけていこうと励まされました。
貴重な、大切なお話をありがとうございました。いろいろと考えることがありました。書きたいこと、伝えたいことは、日々たくさんあるのですが、私も支えになりたい。
ヤングケアラーがどのような状況で生活しているのか、レクチャーや体験談を通してとてもよくわかりました。
とても貴重なお話をありがとうございました。当事者の方の生の声がとても重く響きました。
当事者の話、また、それを聞いた皆様の感想を聴くことが出来て、よりリアルに話を理解することができました。日頃の仕事の対象とする方たちの中にも少なからずいる人たちなので、日頃の支援の中で言葉から、また直接の支援に少しずつつなげていければよいなと思いました。
実際の体験談をうかがい、様々な不安を抱えながら、子どもたちが生活していることを知りました。大人になっていく上での人とのコミュニケーションにも課題があることがわかりました。気にかけてくれる大人の存在が、もっと色々な場面で増えていくためには、何が必要か考えていけたらと思います。
当事者ご本人の体験談を聞く機会は、どんな講演会でも貴重なことなので、今回とても参加させていただいて良かったです。そして、当事者の高久さん、お顔、お名前を出して、皆さんの前で体験を語ってくださることはとても勇気が必要で、お話をしてくださったことで、マイナスになってしまうという不安(知られてしまう)がおありだったと思うので、本当に感謝いたします。ありがとうございました。
「先の見えない不安がある」状態があたりまえだったというお話がとてもショックでした。地域の役所や学校で「ヤングケアラー」についての知識を持っている人がどれくらいいるのか?そんな子供がいるということを知ってもらう必要があり、そういった意味では日本はまだスタート地点だと思いました。市役所や学校の相談員では、どのような対応をしてくれるのか。どういったところへつなげてくれるのかを知りたいと思いました。
日本には家族を支援する制度、政策が構築されていない現状を知りました。
森田先生のお話で英国の進んだ視点、施策を知ることができ、大人になってもうやって学ぶ機会をいただけて感謝します。高久さんのお話は、本当に胸がしめつけられるような想いで聴いていました。そして、今もそんな立場の子ども、若者たちがいることを心に留め、自分の立場でできることをやっていきたいと思いました。
「ケアラー」という言葉も含め、支援する仕事をする上で必要な情報を得ることが出来て、とても貴重な経験が出来ました。
ケアラーという状況について、字面上でしか理解できていなかったですが、実際どのような生活をしているのか想像ができ、もっと深刻に理解できたと思う。より詳しく状況について学び、支援の方向性を学んでいきたいと思います。
子どもへの支援について、具体的に何ができるのか、情報が欲しいです。

≪謝辞≫
埼玉県男女共同参画推進センター様[共催]
2016年公募型共催事業として採用いただきありがとうございます。毎回、会場提供、広報、保育サポートへのご支援をいただけることに感謝申し上げます。担当の坂井利恵様には、会のはじまりのご挨拶を通して、あたたかいメッセージをいただき励まされます。また、村上文子所長も学習会にご参加くださいました、テーマに関心を持ってくださることには本当に心強いです。坂井様、下野裕子様、開催日当日の細やかなご配慮有難うございました。本当に助けられました!

さいたま市様[後援]
後援承認をいただき、さいたま市の各区役所や保健センターに案内を届けることができました。さいたま市 子ども未来局子ども育成部子育て企画課課長・担当者様に心から感謝を申し上げます。

一般社団法人日本ケアラー連盟様 
<ヤングケアラー>について先駆的な研究、活動、発信をされている「日本ケアラー連盟」様のご理解をいただき、画像を転載し、広報に活用させていただくことができました。パンフレットのご寄贈も有難うございました。
http://carersjapan.com/ycpj/index.html

親&子どものサポートを考える会様
精神に障がいを持つ親と暮らす子どもへの支援の大切さを全国に向けて発信し、各地の支援者をつなぐ活動を続けてくださる、「親&子どものサポートを考える会」の代表の土田幸子さん(鈴鹿医療科学大学 看護学部 准教授)とメンバーの皆様。今回も協力団体としてのご支援有難うございました。11月12日、第4回全国版 子どもの集い・交流会のご案内をお伝えさせていただきました。
http://www.oyakono-support.com/

特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構・コンボ様
こころの元気会の広報にご協力いただくとともに、コンボ様パンフレットや『こころの元気+』見本誌をご寄贈いただき有難うございました。2016年7月号は「私の親は病気です」特集号。本当に嬉しいご配慮有難うございます。
https://www.comhbo.net/

ぷるすあるは様
今回もぷるすあるは様書籍販売のブースをご提供いただき有難うございました。書籍やツールを手に取ることができ、ますます広がるさまざまな活動についても、最新情報を知る機会をいただきました。ぷるすあるは様のブースがあることで、子どもたちの存在を近くに感じることができます。本当に有難うございました。
https://pulusualuha.or.jp/

さいたま市精神障害者もくせい家族会
毎回、広報等でもご支援をいただき、埼玉県内の多くのご家族の方にお知らせすることができました。今回も協力団体としてのご支援有難うございました。
http://mokusei-kai.com/

≪プティパからのメッセージ≫
あんしん子育てサポートプロジェクト学習会は第9回となりました。2013年10月19日に開催した第4回学習会では、ぷるすあるは 細尾ちあきさんと北野陽子さんに「うつ病の親をもつ子供たちへのサポート」というテーマでお話いただきました。その時から、「いつか子ども立場から実際の体験談をお聞きしたい」と願っていました。今回、森田久美子さんに「ヤングケアラーについて学習したい」と企画のご相談をしたことで、その願いがようやく叶いました。第4回学習会では、「子どものサインと対応」について詳しく学びましたが、高久さんの体験と重なり合うことが多くあらためて驚かされました。
子どもたちのサインはたくさん発せられている!
まわりの人たちの関わりや眼差しが、子どもたちの人生の質を変える鍵になる!
ひとりの人として、子どもたちひとりひとりに向き合う大切さを学びます。

体験を話すことは、覚悟と勇気なくしてはできないことです。話を聴くことにも、覚悟と意思が必要です。両者が良い出会いをした時、それぞれの価値観に新しい風が吹き込むような体験になります。
ロールモデルとしてお話くださる方への感謝を込めて―。今回も「ロールモデルカフェ」にしたいという思いがあり、ロールケーキとお茶をお出ししました。実際は、ロールカステラというシンプルなお菓子ですが(笑)・・・。

ヤングケアラー(両面印刷)あんしん子育てサポートプロジェクト2016(8月28日協力団体)

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